はげは悲しい
ハゲにまつわる厳しい現実を直視しなければならない。実際、異性の獲得という面においてはハゲにはハンデがあると思う。
誰もすき好んでハゲたわけでないのに、ハゲ、ハゲと嘲笑される。お笑いの対象になることはあっても、尊敬されることはない。気の毒がってくれる人はいるけど、そんな人だってどこか心の奥底ではニンマリ笑っている。もしくは笑いを堪えながら同情している。
ハゲは病気ではないし、個性の一つです。ハゲを気にしている人の中には、誰が見ても立派にハゲあがっている人もいますが、中には本人が気にするほどハゲていない人もいます。過剰反応とかいいようがありませんが、本人にとっては、ハゲることに強い抵抗があるのでしょう。
 ハゲを気にして思い悩むことができるのは、世の中平和だからこそ、カツラだ、新しい毛生え薬だと奔走できるのです。もしどこかの国と戦争していて、戦地に出向く兵隊さんだったら、カツラだ、毛生え薬だなどといっていられない。ボクシングではカツラ装着はルール違反だそうですが、カツラをつけた兵隊さんがたくさんいる軍隊はいかにも弱そうだ。
 ハゲを気にする人がいるからカツラ屋は儲かるし、毛生え薬屋もビッグな産業になるのです。これからも、これらの産業がますます発展することを願っています。もし、戦争や貧困以外の原因でこれらの産業が衰退するとしたら、すべての日本人が優しい心を取り戻した時です。しかし、いまの日本、日本人を見ていると、とてもそんなことは望めません。



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